歯周病の治療
歯周病は、歯と歯ぐきを繋ぐ組織や歯を支える骨(歯槽骨)に炎症がおこる病気です。
歯周病が悪化すると最終的には歯が抜けてしまいますが、 症状は初期には全くと言っていいほど感じられず、自覚症状が出たときには既に歯周病がかなり進行していることが多いのが特徴のため、早めの治療が大切なのです。
歯周病の殆どの原因は歯垢(プラーク)に含まれる歯周病菌です。歯周病のなかでも歯ぐきに起こる炎症が「歯肉炎」で、歯と歯茎を繋ぐ組織や歯根の表面、歯を支える骨にまで罹患するものが「歯周病」といわれています。
歯肉炎は歯垢や歯石によって歯周病菌が繁殖したことにより発症しますが、そのまま放置すると次の段階の「歯周病」へと進行してしまいます。
歯周病の治療は、とても時間がかかりますので、気が付いたら早めに来院してください。
歯周病の進行について
歯周病の進行は、最初に歯周病原性細菌から出される毒素を含む歯石によって歯周ポケットが作られ、そこを棲み家として細菌が繁殖し、プラーク(歯垢)中の歯周病菌が、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かして(骨が薄くなる)最終的には歯が抜けてしまいます。
悪化すると歯ブラシを患部に当てただけで痛みを感じますので、ブラッシングも疎かになり病気を進行させます。
歯肉炎が進行すると歯周病となり、次のような症状がでてきます。
◆歯ぐきの腫れ、◆歯ぐきから膿が出る、◆口臭がきつい
◆お口の中がネバネバする(特に起床時)、◆噛むと痛みがある
◆歯茎が下がるため歯が長く見えようになる、◆歯がぐらつく
◆冷たいもの・熱いもの・酸っぱいものを食べると沁みる
歯周病が進行すると、歯周ポケットが深くなり歯垢や歯石が溜まりやすくなるため、さらに歯周菌は繁殖していきます。
そして歯を支えている歯槽骨や歯根膜が破壊されてしまい、歯がぐらついたり歯が抜け落ちてしまうこともあります。
歯周病の治療
歯周病は、ほとんどの原因が歯垢(プラーク)に含まれる歯周病菌です。
ご自身のケアの基本は、歯垢をきちんと除去できる歯磨き方法を覚えることです。きちんとした歯磨きによって、歯茎が引き締まり歯石の除去もしやすくなります。
正しい歯ブラシの方法は医院でカウンセリング時にお教えしていきます。
歯周病の治療法は次に挙げるものが基本となります。その他にも比較的軽症のケースでは、抗菌剤と抗生物質を使用した「歯周内科治療」を行う場合もあります。
【1】歯の表面&歯周ポケットの歯石除去(スケーリング・ルートプレーニング)
ご自身では取ることのできない部分に付着した歯垢や歯石を除去したり(スケーリング)、歯周ポケット内に付着した歯石などを専用の機械や器具を使用して除去します(ルートプレーニング)。
特に歯周ポケット深くに付いた歯石は歯槽骨の溶解の原因ともなりますのでキレイに取り除きます。
歯石を取り除くことで、歯石の表面や内部で繁殖している歯周病菌を減らすことができますし、歯ぐきが引き締まって治りやすくなります。
【2】歯周外科(フラップ)治療
歯周外科(フラップ)治療は、麻酔後に歯ぐきを切開・剥離させた状態で、露出した歯根のプラークや歯石を除去し、ダメージを受けてしまった歯周組織も除去する治療です。
正しいブラッシングケアや、スケーリング・ルートプレーニングをしても症状が改善しない重度の歯周病の場合に行われます。
この治療は、歯肉を部分的に切り開くことで感染病巣を視認することができますし、基本治療で取りきれなかった歯石をしっかり取り除くこともできます。
また炎症により破壊された歯槽骨の形態を整えられるため、歯周組織を本来の健康な状態に導いていくことが可能です。
虫歯/根管治療
虫歯の進行について
虫歯の原因は数種類ある細菌です。この菌がブラッシング(歯磨き)などで除去し切れなかった食べ物のカスを栄養源として繁殖し、歯垢(プラーク)を形成して歯の表面に付着します。歯垢(プラーク)は食べ物に含まれる糖を取り込んで酸を放出するようになり、この酸によって歯が溶かされていきます(脱灰)。
初期の段階であれば、唾液の力で修復され(再石灰化) 元の健康な歯の状態に戻りますが、歯のケアを怠っていたりすることが原因となり、歯垢が酸を放出する量のほうが多くなると再石灰化が間に合わず歯の表面が溶けて穴があき、虫歯は奥へと進行していきます。